文字サイズ
  • 標準
背景色

西山スマイル介護職員や看護師の出会った、ちょっと感動するお話をお届けします。

2022.11.04ある日の訪問歯科治療で
歯科衛生士
入れ歯が合わず、使用していなかった女性患者様。患者様のご自宅で治療したことのある歯科医師が、西山病院へお見えになりました。
患者様が西山病院に入院して数か月のことでした。

声が小さく言葉数も少ないので、私が代弁しながら今後の治療方針を立て、受診の終了間際。
いつの間にか先生に近づいていた患者様が、先生の腕にそっと手を置いて、「黒いね」と一言。
私が「先生、日焼けして引き締まった腕ですね」とフォローすると、先生は「釣りやってるもんでね」とメガネの奥の目尻を下げました。
そして先生はカルテを覗きながら、「入れ歯が治ったら何食べたい?入れ歯を作った時は、うなぎが食べられたと言ってたね」とおっしゃいました。
患者様は、はっきり大きな声で「モンブランケーキ!」とお返事されました。
私は、患者様の大きな声と今までと全く違う表情に一瞬びっくりしながらも、つられて「じゃあ、入れ歯に慣れたらモンブランケーキ!」と、はしゃいでしまいました。
先生は、「そうだった、甘いものに目がなかったよね。むし歯でまた歯がなくなっちゃうからほどほどにしないとね」と優しく釘をさされました。

最初は緊張気味の歯科受診でしたが、患者様が旧友にするようなユーモアのある仕草や言葉遣いをされるので、先生や私までも和やかな気持ちになった出来事でした。

TOP